YouTube によるデジタル戦略をいち早く採用、ターゲットからの比較検討と売上を伸ばした Ford Thailand

日本の自動車メーカーが国内市場で優位を占めるタイにおいて、Ford Thailand にはより先を見通した施策が求められていました。 タイの生活者は自動車の購入を検討する際、テレビよりも YouTube を長時間視聴します。そこで Ford Thailand は、ブランド認知度や比較検討の向上を目指して YouTube を活用しました。

目標

  • タイの上位 5 社の自動車ブランドとして認知される
  • ミレニアル世代の男性のブランドへの親近感を高める

アプローチ

  • YouTube におけるタイの自動車ユーザーの行動を総合的に調査
  • ブランド認知度の向上と Ford Ranger モデルの販売促進を目的として、 2016 年に YouTube マストヘッドを15 日間掲載
  • YouTube 向けの専用動画をシリーズで制作し、TrueView 広告を活用してキャンペーン メッセージを幅広く周知

結果

  • 自動車の販売台数が 23% 増加
  • マーケット シェアが 12% 拡大
  • ブランドの比較検討が 100% 向上
  • YouTube チャンネルの登録者数が 2 倍に増加

2016 年、Ford Thailand は極めて困難な時期を迎えていました。 競争が激化しているタイの自動車業界では、生活者が自動車購入にあたって検討する数少ないブランドの 1 つに、上位 5 社以外のメーカーが入り込むことは至難でした。

しかし 2016 年が厳しい年であることは、すべての自動車メーカーにとっても同様でした。 景気後退と政情不安を原因として消費意欲が冷え込み、その結果、販売促進活動が難航し、自動車の販売台数は大きく減少したのです。

タイのメディア利用状況が劇的に変わり、もはや自動車メーカーは従来の広告手法に頼っていては生活者にリーチできなくなりました。 現在タイではスマートフォンの普及が進み、モバイル データの通信料金も下がっています。テレビの視聴時間が減少するいっぽうで、オンライン コンテンツの利用は増加しており、生活者はあらゆるコンテンツをスマートフォンで視聴することを望んでいます。

個人のインターネット利用率はここ 3 年間で 61% から 100% 上昇、スマートフォンの普及率も 65% から 98% まで上昇しました。1

これを受けて、新たに自動車を購入する際の主な購入経路も様変わりしつつあります。 実際に販売店に足を運ぶことが少なくなり、購入決定までの来店回数は平均でわずか 2.4 回です。

自動車を購入するユーザーの行動を分析

競合各社が半信半疑だったにもかかわらず、Ford は早くからデジタルへの移行がマーケティングの将来を左右すると確信していました。 2014 年に YouTube がタイでサービスを開始するとすぐ、Ford は自動車メーカーとして初のチャンネルを開設し、動画広告を展開しました。

さらに、メディアに対する生活者の新たな行動に理解を深めるべく、Ford Thailand はさまざまな角度からタイの自動車ユーザーの行動について調査を行い、以下のような貴重なインサイトを得ました。

1)自動車の新規購入者のうち 87% が、購入を決定する際に視聴した動画コンテンツに影響を受けたと回答。 また、購入決定前には少なくとも 4~5 社のブランドについて検討するが、実際に試乗した回数はわずか 1.5 回。

2)初回の購入でも 2 回目以降でも、最大の決め手は値引き。 タイでは値引きが重視される。これは衣料品や食品、飲料などあらゆる種類の商品やサービスの購入において重要なポイントである。

3)タイ人は積極的にインターネットを利用する。もはや YouTube はメインの動画プラットフォーム。タイ人の 81% が YouTube を日常的に利用しており、そのうち 62% 以上のタイ人がテレビより YouTube を長時間視聴している。

YouTube マストヘッドで大きな手応え

上記のインサイトに基づき、Ford は YouTube マストヘッドによるプロモーションを実施しました。 2016 年の第 1~3 四半期にかけて、合計 15 日間の YouTube マストヘッドを掲載し、「お買い得」が大好きなタイの人々に向けて、Ford Ranger のブランドとプロモーション メッセージを組み合わせて発信した結果、合計 1,100 万の視聴回数を達成したのです。

Ford の YouTube チャンネルの登録者数は 50,000 人も増加し、表示回数 1,000 回あたりの単価(インプレッション単価、CPM)は、同様のプラットフォームにおけるデジタル インプレッション単価の平均と比較して 7 分の 1 まで減少しました。 プロモーションを主体とする 1 年間のキャンペーンと併せると、Ford は YouTube チャンネルのユニーク ユーザー 250 万人にキャンペーン動画全編を視聴してもらうことができたのです。

Ford は、ブランドのイメージ動画に加え、タイの悪路をものともしない Ford Ranger の性能を紹介した YouTube 向け専用の動画シリーズも制作しました。 まずインパクトの大きなマストヘッドで多くのユーザーにリーチしてユニーク視聴者数を伸ばし、さらに TrueView 動画広告を配信することでキャンペーンのインパクトを維持し、かつ安定した視聴回数が維持できました。

報われたデジタルへの投資

デジタルの領域で業界の首位に立つという目標を、Ford Thailand は 2016 年末までに達成しました。 YouTube チャンネルの登録者数は倍増し、114,000 人に到達。この数字は当時の業界最大手の約 3 倍です。

モバイルを積極的に活用するユーザーに働きかけるという当初の目標を達成した Ford の比較検討は、2015 年の 6 位から上昇し、2016 年には 3 位になりました。 また、業界全体の規模が 4% 縮小しているにもかかわらず、Ford のマーケット シェアは 12.4% 拡大したのです。 自動車の販売台数は 23% 増加し、上位 10 社中で 2 桁の伸びを見せたブランドは唯一 Ford のみでした(上位 5 社はすべてマイナス成長)。

タイで初めて YouTube を活用した自動車メーカーである Ford は、業界におけるデジタル マーケティングの先駆者として確かな地位を築き上げたといえます。 「YouTube とのパートナーシップを通じて、さらにブランドを強化することに成功しました。 当社の売上とマーケット シェアは大きく伸びており、業界全体の縮小にもかかわらず、競合他社より一歩前に出ることができました。 今後も、さらなる発展のために YouTube を活用していきたいです」とFord Thailand の代表取締役 Khun Yukonthorn 氏は述べました。

出典
1. TNS、The Drive to Decide、2016 年レポート

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