Human Stories 第 4 回 : 働く男性にとっての YouTube

YouTube がどの程度日本人の生活に根付いているか、「母親」、「働く女性」に引き続き、第 4 回は、「働く男性」がどのように YouTube を利用しているかをみていきます。

男子学生が 「動画なくしては生活が成立しない」 と語る姿は容易に思い浮かびますが、果たしてそれは 「学生」 だけなのでしょうか?フルタイムで働く男性1が YouTube をどのように使っているのか見てみると、フルタイムで働く男性の 77% が YouTube を使っており、そのうち YouTube を利用する際には 1 日 30 分以上使う人が 52 % と過半を占めています2

図:フルタイムで働く男性の YouTube 利用状況

働く男性の YouTube 利用シーンは、 「 夕方以降から就寝までに、自宅でまとまった自由に使える時間 」 が 61% と男女全体の 55% と比べると高い水準でした2

また、YouTube を見るときにパソコンを使う人は 57% と、男女全体の 51% よりも高い傾向が見られます2。とはいえパソコンからのみ YouTube にアクセスするわけではなく、モバイルデバイス ( スマートフォン もしくは タブレット ) から YouTube を利用する人は 61% と、見たい状況に応じてデバイスを使い分けている姿が浮かびます2

図:フルタイムで働く男性の YouTube 視聴時の利用デバイス

定性調査3の結果から、働く男性が具体的にどのように YouTube を使っているのか見てみましょう。

ある対象者の男性から、大切なオフ時間にくつろぐために YouTube を利用しているという声を聞きました。

「 家に帰り、風呂やご飯が終わってからが、やっと自分の時間ですね。肩の力も抜けたところで、いつもだいたいパソコンに向かいます。その日のニュースやメールなどを一通りチェックしたら、 YouTube でサッカー動画などを物色しはじめます。テレビも見ますが、必ずしもそのとき見たいものがあるわけではないですよね。YouTube だと、検索すれば見たい動画が見つかるし、同じテーマの動画をまとめて見ることができるからいいんです 」

自宅でのオフ時間に YouTube を利用するのは、ただ 「 くつろぐ 」 ためだけではありません。知的好奇心を満たすために、また自分なりの満足感を得るために YouTube を役立てています。

「 YouTube から広がり、満たされて、さらに求めていく 」 傾向は、まとまった自分の時間に YouTube を視聴するという場合にかぎらず、働く男性の視聴動向そのものを分析する際に重要なキーワードでした。

「 知る 」、「 学ぶ 」という目的でYouTube が使われていることは、以下の発言からもわかります。

「 効果的に筋トレをするために動画を見ています。本だと、すでに知っている基本的なトレーニングばかりですが、YouTube だとピンポイントで自分が知りたい筋トレのやり方にたどり着くことができます 」

「 最近ギターを始めました。独学なので YouTube が先生です。自分のペースに合わせて練習できます 」

「 関連動画に、いいなと思う目的に近い動画が次々に出てくるから、新しい知識が広がり、増えていくのは嬉しいですよね 」

また、日中のちょっとした時間を効率的に活用して自分の見識を広げたいという欲求にも YouTube を役立てているようです。

「 昼のランチは一人で食べに出ることも多いんですが、ニュース動画を見て情報収集してますね 」

男性に特有なものとして考えられる YouTube 利用シーンとして、次のような発言がありました。

「 同僚と飲んでるときに、この映画がよかったとか、 この曲を知ってる ?とか話題に上ることがあるじゃないですか。 そのときにサッとスマホを出して、YouTube の動画を見せたりします。そんなときどう思われるかとドキドキします。いい評価が返ってくるといいなと思いながら待っています 」

これは、自分のことをもっと知ってほしいという一方、 「 つまらない 」 と思われてしまうのが不安という気持ちを表していると思われます。

この状況で役に立っているのが YouTube でした。自分がおもしろいと思うもの、興味のあるものを YouTube の動画と一緒に説明することで、自分の言葉だけでは伝えきれない気持ちをうまく相手に伝えることができます。動画を見た相手の反応がよいと、 「 こんな感じ、楽しそうでしょ 」 、 「 こんなのに行かない ? 」 と誘うこともあるそうです。ごく自然に相手と親近感を高めている様子が見て取れました。

また、自分自身では経験しづらいことをなるべくリアルに疑似体験したいという理由で YouTube を利用しているケースもありました。ある対象者はこう語ります。

「イギリスにコッツウォルズという田園風景があって、景色がとても素敵なんです。画像検索すると本当にいい写真、カメラマンが撮った素敵な写真しか出てこないんですが、 YouTube で検索すると、海外の人が携帯やハンディカムで撮った映像があるんですね。すれ違った人の感覚もリアルで、自分が実際に行ったような生の感覚が味わえます 」

フルタイムで働く男性が職場から離れたとき、自分の時間をどのように充実させるのか。もちろん思いっきりくつろぐことを念頭に置く場合もあるでしょう、いっぽう、興味や見識を広げたり、追求したりするために使いたいという願望もあるはずです。

今回の調査からは、さまざまな思いにあわせて YouTube を使いこなしている働く男性の姿が見えてきました。

出典

  1. この記事における 「働く男性」 の定義
    定量調査: 男性(18-59 歳), 有職者 (アルバイトやパートタイムは除く)
    定性調査: 20-34 歳, 男性, 有職者 (アルバイトやパートタイムは除く)
  2. 定量調査: インターネット調査, 2016 年 11 月実施, N = 8,225, 調査はニールセン デジタルに委託
  3. 定性調査: 1 対 1 インタビュー調査, 2016 年 12 月実施, N = 12, グーグルとイードの共同調査