優れたモバイル顧客体験を構成する 3 つの要素

日本人のメディア接触時間におけるモバイルの割合はこの 10 年間で 7 倍以上に急増しいます。このため、優れたモバイル顧客体験を提供することは、あらゆる企業にとって今や必須条件と言えます。そこで今回は、何が「優れた」モバイル顧客体験かをテーマに、その構成要素を論じてみたいと思います。

Google 検索では毎分 400 万回の検索が行われており、米国や日本をはじめとする 10 か国では、すでにスマートフォンからの検索件数がパソコンを上回っています1 。また、日本人のメディア接触時間においても、2006 年には総時間の 3% しかなかったモバイルへの接触時間が、2016年には 23% と 7 倍以上に急増しています1。このため、優れたモバイル顧客体験を提供することは、あらゆる企業にとって今や必須条件と言えます。そこで今回は、下記の観点から何が「優れた」モバイル顧客体験かをテーマに、その構成要素を論じてみたいと思います。

Google では現在、優れたモバイル顧客体験のためには次の 3 つの要素が重要だと考えています。

  • 速さ:速さとは単にページ速度だけでなく、目的を達成できる迅速な体験の提供を意味します
  • 関連性:人々の意図やこれまでの行動、文脈に基づいて望ましい体験を提供することです
  • チャネルに最適化された顧客中心の体験:オフライン、PC、モバイルなどそれぞれのチャネルの特性にあわせて顧客にとって最高の体験を提供することです

それでは、一つ一つについて、順番になぜ重要か、先進企業ではどうビジネスに活かしているのかをご紹介したいと思います。

速さ

ページ速度や目的を達成するための操作性を向上することで、ビジネス機会の損失を大きく増やすことができます。ある調査によると、モバイルサイトのページ表示時間が 3 秒を超えると 53% の顧客が閲覧を諦めると言います2。また、1 秒遅延するごとにコンバージョンは 20% 低下するというデータもあります3

こうした顧客の速さに対する要求が上がっていく現状を踏まえ、カタログ通販ベルーナではモバイルサイトの表示速度を高速化する技術である AMP の導入や、アプリをインストールすることなく、アプリのような良質の顧客体験が提供できる技術である PWA を導入し、スピードや操作性を改善することで、下記の成果を挙げることに成功しました。

  • モバイルからのオンライン注文数 28% 増
  • Email と比較した場合の PWA のオンライン注文率は 60% 増
  • 平均ページ表示時間は 0.62 秒まで短縮 - AMP導入前の 8 分の 1

図:ベルーナの AMP 対応ページと PWA 対応ページ

関連性

モバイルが普及した現在では、顧客のパーソナライズ、つまり顧客にとって関連性の高い体験についても非常に強い需要があります。eMarketer で実施した調査では、89% のマーケターが、ウェブサイトやアプリをパーソナライズすることで顧客との関連性を上げた体験を提供することで収入が向上したと回答しています。4

ヒルトン・ホテルズ & リゾートは、より顧客ごとにパーソナライズされた体験を提供するため、モバイルアプリで下記の機能を提供しています。

  • 個々人の希望に沿って到着前にご希望の客室、フロア、眺望を選択可能
  • また、追加の枕からお好みのスナックなども注文可能
  • チェックインやドアの開錠もアプリで一括して行うことが可能
  • お気に入りのホテルは、再予約機能を使ってすばやく予約可能
  • お得な情報やイベントに関する通知を、個人の嗜好に合わせて受け取ることが可能
    • すぐ近くにスパがある時は、そのスパからのスペシャルオファーが届きます
    • おいしいお酒を楽しみたい、という方には、ハッピーアワーの情報が送られます

図:Hilton Honors アプリ(英語版)

チャネルに最適化された顧客中心の体験

PC 向けサイトで行えることが、スマートフォン向けサイトで行えなかったり、行いにくかったりしたことはないでしょうか。Google の実施した調査では、65% の生活者が、PC 向けとスマートフォン向けサイトでそれぞれ最適化されていて、それぞれでできる事が、同じ様に操作できることを期待すると回答しています。しかしながら、現在これが実現していると考えているのは、たった 31% しかいませんでした 。5ですが、本当に大切なことは、チャネルごとの特性に合わせて最高の体験を提供することだと、私たちは考えます。

例えば、アプリの特性を生かし、顧客にとって最高の体験を提供しているのが ビズリーチ のスタンバイアプリです。このアプリでは、自分のプロフィールを登録しておくと、お店や企業から仕事のお誘いが届きます。興味があれば、そのままお店・企業の方とチャットでやりとりをしていただき、不明点などを気軽に聞くことができます。そこで働いてみたいと思ったら、そのままチャットで面接の日程調整をしたり、スタンバイアプリのビデオ通話機能を使えば、自宅にいながらスマートフォンで面接もできます。これは、チャネルの持つ特性を最大限に活用し、最高の顧客体験を提供できている例の一つです。

図:スタンバイ アプリ

最後に、これまでご紹介した Google が考える、優れたモバイル顧客体験を構成する要素を3 つ振返りたいと思います。貴社での対応状況はいかがでしょうか?

  • 速さ
    速さとは単にページ速度だけでなく、目的を達成できる迅速な体験の提供を意味します。ユーザー体験をより快適にするために、どのように障害を取り除くかを常に考え抜く必要があります。実現手法として、AMP や PWA などの新しい技術イノベーションの導入もご検討ください。
  • 関連性
    より個々のユーザーにさらにパーソナライズされた、関連性の高い体験を作り出す事が重要です。サイト、アプリを問わず、より貴社の顧客に最適化した体験が提供できないかを常に考えましょう。実現手法として、Google Analytics や Firebase を活用した各ユーザーの嗜好の理解、動的リマーケティングやプッシュ通知の活用などもご検討いただけます。
  • チャネルに最適化された顧客中心の体験
    顧客を中心とした体験を作るために、チャネルの持つ特性を最大限に活用し、最高の顧客体験を提供しましょう。

出典

  1. 博報堂メディア定点2016
  2. 出典 : The Need for Mobile Speed", DoubleClick, Sept 2016
  3. 出典 : SOASTA, The State of Online Retail Performance, April 2017
  4. 出典 : eMarketer, Personalization in Retail: The Latest Trends and Challenges, April 2017
  5. 出典 : Google Surveys: (n of 385 Japanese online users 18+ who have their smartphone for personal use), June, 2017
Chloe Sit

パフォーマンス プロダクト エキスパート、UX リード

Sebastien Gaboriau

パフォーマンス ソリューション エキスパート、モバイルアプリリード

緑川 徹生

パフォーマンス ソリューション エキスパート、モバイルアプリリード

松内 良介

Google Japan デベロッパーアドボケイト

Think with Google 日本 ニュースレター

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