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検索動向データからから読み解く不動産業界トレンド

景気や税制など、様々な要因の影響を受ける業界の 1 つ不動産業界。その影響はインターネットユーザーの検索動向にも現れます。不動産について情報を探している人々の動きを、 Google 検索の動向から見えてきたトレンドからご紹介します。

「新築マンション」「東京賃貸」といった不動産関連の検索は、就職や転勤、子供の進学などのライフステージの変化が起こりやすい1月から3月にピークを迎えます。

不動産関連の検索推移

この検索推移を対前年成長率という形で見てみると、2013年初頭に大きく成長率が高まったことがわかります。その後、消費税8%の新税率の施行日が近づくにつれて業界全体の成長率は徐々に鈍化、2014年には駆け込みの反動減によるマイナス成長に転じました。そのような中でも、昨今注目を集めるリフォーム領域がプラス成長を維持していたということは、生活者の意識変化の大きな流れを示すという点で注目に値します。

また2015年には、業界全体が回復基調となる中、新築マンション領域のみ、建築資材費や人件費の高騰などを背景とした物件価格の高止まりの影響もあってか、マイナス成長を続けました。直近の2016年に目を向けると、消費増税の先送りなどのニュースもあったものの、引き続き新築マンションはマイナス成長、かつリフォームはプラス成長を続けています。一方で、業界全体で見ると比較的落ち着いた推移となっています。

検索数の対前年成長率
検索数の曜日別シェア

次に、不動産関連領域のキーワード検索数のある平均的な1週間の総量を100%として曜日別に集計してみたところ、一般的な不動産関連の検索は、曜日ごとの傾向がさほど見られないのに対し、「住宅展示場東京」「モデルルーム見学」など、実際のアクションに関連する検索だけは週末に集中していました。
さらにデバイス別に詳しく掘り下げてみると、検索数が週末に偏っているのはスマートフォンやタブレットといったモバイル端末であることがわかります。家族で週末の予定を検討する際にタブレットを使ったり、外出先で住宅展示場の場所をスマートフォンで検索したりと、様々なシーンでのモバイル端末利用が想定されますが、来場キャンペーンなどの具体的なアクションを促進する施策において、モバイルでのプロモーションやモバイルサイトの最適化が重要であるということは、これらのデータからも見て取れます。

住宅展示場・モデルルーム関連検索数の曜日別シェア

最後に、Google検索のデータから見えてきた、不動産検討者の「住みたい街ランキング」(マンション篇)をご紹介します。こちらは、毎年1-12月の1年間(2016年は1-9月のみ)に2016年(1月〜9月)に「マンション」などの不動産関連ワードと掛け合わせで検索された、関東エリアの「駅名」をランキングしたものです。一般的なアンケートによる人気ランキングとは異なり、実際に不動産が探されている、本当の意味で需要の高いエリアと言えます。

検索データから見える、住みたい街ランキング(関東エリア・マンション編)

「横浜」「武蔵小杉」「吉祥寺」などは一般的な人気ランキングでも常連ですが、同じく人気があるイメージの強い「目黒」「自由が丘」といった場所はランク外となっており、これらは物件価格や賃料の高さから実際の検討では敬遠されている可能性がうかがえます。アンケートで捉える単純な人気(理想)と、検索動向によって浮かび上がってきた実際の需要(現実)にはギャップがあるようです。 また、マンション編ランキングでは、大規模なマンション計画などのある再開発エリアのランクインが目立つのも特徴です。たとえば近年目覚ましくランクアップしている北千住は、つくばエクスプレスを始め複数の路線が乗り入れるターミナル駅として急成長を続けており、さらにここ数年多くの大学がキャンパスを構える学生街に変貌、商業施設や飲食店も充実した人気エリアとなっています。

このように、検索動向には市況の変化や不動産検討者のニーズが強く反映されます。人々の動向を把握し、インサイトを抽出していく際に、ユーザーが真に欲している情報は何なのかということを念頭に置いて検索行動を分析するというアプローチは、不動産業界においても貴重な示唆を与えてくれるのです。