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モバイルアプリの利用実態とアプリマーケティングを考える第 5 回 : 好まれるアプリの条件は ?

第 1 回では日本のアプリ利用の特徴をアジア諸国との比較、第 2 回では日本の利用実態について、第 3 回ではスマートフォンユーザーがどのように新しいアプリを見つけるか、第 4 回ではスマートフォンユーザーのアプリの利用動向から見た、継続利用のためのポイントを紹介してきました。第 5 回目は、日本のスマートフォンユーザーに好まれるアプリの条件を詳しく見ていきます。

Google の Mobile App Usage Study の調査結果から、ユーザーに好まれるアプリの条件として、「 簡単に使えること 」 、 「 アプリのみの機能やオファー ( 提案 ・推奨 ) があること 」 、 「 他のアプリよりも自分に向いていると思えること 」 、 「 幅広い情報やサービスが見られること 」 、 「 セキュリティ面での安全性が高いと思えること 」が上位となっています。

好まれるアプリの条件 TOP5

好ましいアプリの機能 Top5 からは、 「 頻繁に使う機能に特化していること 」 、そして 「 幅広い多様な機能があること 」 という、機能に対する相反した期待が見えてきます。簡単に使えることが前提条件として、機能の多様性に対する期待は人により異なるということかもしれません。第 3 回で取り上げたインストールをためらう理由の上位には、プライバシー情報や機能へのアクセスが挙げられていました。しかし、セキュリティの安全性が担保され信頼できる場合には、自分の利用傾向のデータや個人情報を蓄積することでサービスがパーソナライズされ、利便性が向上することは好ましいと考えられていることも分かります。

好ましいアプリの機能 TOP5

その反面、10% を超える人が 「 セキュリティ面での安全性 」 、 「 個人の利用傾向を蓄積することによる使い勝手の向上 」 、 「 個人情報の蓄積 」 は好ましくないとも回答しており、セキュリティに関しては、ユーザーの信頼感を損なった場合、アプリに対する支持を根底から失うことにつながるリスクがあることがわかります。

さらに Google では、アプリの開発者向けに、ユーザーに信頼され好まれる高品質な Android アプリ開発のためのベストプラクティスも提供しています。中でも、特にセキュリティ面でユーザーの信頼感を高めるための一般的なベストプラクティスとして、下記の条件が挙げられます。

  • プライバシーポリシーの告知と、アプリ内での状況に応じた説明の提供により、アプリが収集 ・ 使用 ・共有するユーザーデータの使用方法、共有相手についてわかりやすく開示する。
  • 最新の暗号化手法を使用して ( HTTPS 経由などで ) 通信する等の手法を活用し、ユーザーデータを安全に扱う。
  • ユーザーが変更できない端末固有 ID は使わない。
  • ユーザーデータの収集については、必要に応じてオプトアウト機能や同意確認機能を提供し、ユーザーの意思を尊重する。
  • Google Play ストアなどのアプリマーケットへの掲載時にアプリ提供事業者の法人名、住所や連絡先を明記する。
  • ユーザーが躊躇するような形で個人情報の入力を求めたり、権限の許諾を求めたりすることを避ける ( 第 3 回 ) 。氏名やメールアドレス、住所等の個人情報、連絡先へのアクセス、位置情報の取得、カメラ機能や写真のアルバムへのアクセス、カレンダーへのアクセスなどの権限の許諾については、その要求を必要最小限にとどめ、また なぜそれが必要なのかについて判りやすい表示を行うように注意する。

企業がアプリを通じてユーザーとの関係を強化するためには、アプリのプロモーション以前に、このようなアプリ開発ベストプラクティスにも配慮しながらユーザーに信頼され、好まれるアプリを提供することが大前提となります。一連の Mobile App Usage Study から、アプリの成功のためには、アプリの品質、特にセキュリティ面での信頼性がますます重要視されていることが明らかになってなりました。

第 6 回では、アプリマーケティングに関する企業の取り組み事例を紹介していきます。