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マイクロモーメント Step1 マイクロモーメントを見極める〜生活者が求めている瞬間に応えよう〜

マイクロモーメントが発生する瞬間を確実に捉えるには、まず、ターゲットとする生活者が「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」検索しているのかを見極めることが重要です。様々なデータをもとにユーザー行動を把握し、「いつ」「どこで」「何の」コミュニケーションを出すべきか把握しまし ょう。

マイクロモーメントが発生するタイミングを確実に捉えてビジネスに活かすには、生活者が「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」検索しているのかを見極め、それに対して適切なアクションを起こす必要があります。

いつ:季節や時期・曜日・時間帯に留意する。
どこで:商圏エリアはどこか。検索ピークは場所により異なっていないか。
何を:どんな検索語句が使われているのか。購買ファネルによって検索語句はどう変わるのか、あるいは変わらないのか。
なぜ:どのようなニーズで検索しているのか。

前回 は「マイクロモーメント」について詳しく見ていきました。今回は、マイクロモーメントを見極めて効果の高い施策を実施した4企業 (ウォルマート・西友、セガネットワークス、セフォラ、楽天市場) のケーススタディーの分析から、ビジネスチャンスをうまく捉えるためのヒントを探っていきます。

ウォルマート・西友
「いつ」「どこで」を見極めた広告配信で、生活者の来店と店舗での購買を促進

全国に 300 以上の店舗を展開するウォルマート・西友では、モバイルが普及し個別のコミュニケーションが重要になっている中で、画一的なチラシによる来店訴求効果に限界を感じていました。

そこで、生活者の「買い物に行こう」というマイクロモーメントが起こるタイミングを見極め、それをGDN ( グーグルディスプレイネットワーク ) で捉えるプロモーションを実施しました。具体的には、 1 日の時間別来店者数と店舗の商圏情報をもとに、スーパーに「行きたい瞬間」が起こる時間と場所にボリュームを最適化したカタチで広告を配信。また、生活者それぞれの「買い物に行きたい瞬間」(マイクロモーメント)のニーズに合わせたメッセージが届けられるように、広告ローテーションを用いて、ユーザーセグメントごとに最も適した異なるクリエイティブを配信したのです。

これにより、キャンペーンを実施した店舗の商圏では、実施していない店舗に比べ、来店者数の増加率が 2.2 ポイント高く、売上の増減率においても 2.3 ポイント高いという結果になりました。マイクロモーメントが発生するタイミングを見極めたプロモーションを実施することにより、生活者を店舗に誘導し、店頭で買い物をしてもらうことに成功した好例です。

セガネットワークス
「何を」をことごとく捉えて、ユーザー獲得の機会を最大化

スマートフォン向けゲームアプリを数多く手がけるセガネットワークス。競争が激化している中で、継続的に、かつ深くコンテンツを楽しんでくれる顧客をいかに効果的、効率的に獲得するかが課題でした。

そこで、それまで掲げていた「インストール数の効率最大化」という目標を「 LTV ( 顧客生涯価値 ) の高い顧客の獲得」へと変更し、ゲームに関心が高いユーザーのマイクロモーメントをすべて捉えるために 2 つの施策を実施しました。

まず、目標コンバージョン単価による入札の自動化を導入。Google Play と Google.com では、頻繁に検索される語句や傾向、入札語句が異なるため、検索語句を捉えられずに広告表示されなかったり、最低入札金額に届かず広告の機会を逃してしまうことがよくあります。自動化することで、適正価格での入札を実現しつつ Google.com 及び Google Play の両方で広告掲載の拡大を狙いました。

次に、一般キーワードを含むゲーム関連キーワードをすべて網羅すべく、キーワードを拡充した上、部分一致で入札することで入札機会を拡げました。

その結果、ゲームに関心の高いユーザーの「ゲームがしたい」瞬間を最大限捉えることに成功し、表示キーワード数は 27% 増加、広告表示回数も99% 増加しました。さらに入札の自動化でインストール単価を目標値以内に抑えつつインストール数を 98% 増やすことができたのです。拡張した一般キーワード経由で獲得したユーザーの LTV は、平均的なディスプレイキャンペーン経由のユーザーよりも 5.5 倍高く、 LTV の高いユーザーの獲得に大きく貢献しました。

セフォラ
店頭で発生するマイクロモーメントを捉え、購買を促進

化粧品や香水など、美容関連製品に特化した店舗を展開するセフォラは、実店舗の売り場でスマートフォンを使って検索する顧客が多いことに注目しました。店内でのモバイル利用により、 e コマースサイトや近隣の競合店舗で商品を購入されてしまうことを危惧する企業が多い中、セフォラはモバイルの可能性を的確に評価し、顧客に役立つ有意義な方法でモバイルを活用できないか検討を重ねました。

一連の調査から見えてきたのは、店内でモバイルデバイスを使う顧客の多くが、売り場で手にした商品のレビューを見たり、以前購入した商品の色味を確認しているという事実でした。

そこでセフォラは、店内で発生するマイクロモーメントを確実に捉えるため、店舗に来ている人々のニーズに応えられるモバイルサイトとアプリを開発。来店した人が、店頭でバーコードをスキャンすることでセフォラのアプリを通じて簡単に製品の情報やレビューを読めるようにしました。

この取り組みにより、店舗での購買が促進されると同時に、セフォラのブランドロイヤルティがアップし、顧客の来店頻度も高まりました。

楽天市場
「なぜ」検索したのか?その意図を見極めた広告を配信

多彩な商品を取り扱う楽天市場では、モバイルからの検索が増えるに従い、検索キーワード数も多様化し、検索連動型広告のキーワード数は数百万まで膨れ上がりました。その結果、手作業では適切なグルーピングや設定を行うことが不可能となり、ユーザーの意図とは必ずしも関連性のない広告が表示されていました。

例えば「おもちゃ」という広告グループには、おもちゃの検索に使われた様々なジャンルのキーワードすべて(「アニメ名」「キャラクター名」「商品名」など)がまとめられていました。そのためアニメの DVD を購入するためその「アニメ名」で検索しても、関係ない「おもちゃ」カテゴリーの広告が配信されることもありました。

そこで楽天市場はAdWords APIを活用したキーワードグルーピングシステムを開発し、検索語句を検索履歴に基づいて判別した関連性の高さによるグルーピングを行いました。これをキャンペーンとつなげることにより、関連性の高い語句をまとめた広告グループの生成、キーワード追加の自動化が実現できたのです。

これにより、限られたリソースの中で関連性の精度を上げると同時に、検索語句を細かい単位でグルーピングすることも可能になり、「なぜ」検索したかというユーザーの意図を見極めた広告を生成・配信できるようになりました。その結果、自動化後のCTR ( クリック率 ) は平均18% 高まり、CPC ( クリック単価 ) も12% 強下げることに成功したのです。

まとめ「マイクロモーメントを正しく見極めるには」

1 自社のブランドや業界における旬のトピックやキーワードを把握していますか? そしてその語句で検索した時に自社の広告が表示されますか?
2 検索が急増するタイミングや場所・きっかけを把握していますか?
3 コンバージョンするタイミングだけを狙い、結果として、興味や関心が生まれるタイミングを逃していませんか?

出典

  1. 検索行動構造調査(インテージ / 2016年4月)
  2. マイクロモーメント調査(イプソス / 2016年4月)
  3. Google Consumer Survey (Google / 2015年8月)