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マイクロモーメントの価値を最大化するモバイル検索戦略

スマートフォンは、いつ、どこで、何をしているときでも、身近にあります。人々が「何かを知りたい、どこかに行きたい、何かをしたい、何かを買いたい」と思った瞬間、一番最初に手にするデバイスがスマートフォンです(マイクロモーメント)

これは、つまり、スマートフォンには、多くのマーケティング チャンスが生まれていることを意味します。モバイル検索の動向分析からは、人々が何を求めているのか、そして購入などのアクションへと導くためのデータがわかってきます。すると、上述のような欲求が生まれた瞬間に、その欲求を満たす最適な情報を届けられる可能性も高まります。

「近くの XX」という検索のうち、88% はモバイルです。これは前年比 146% の勢いで増えています。

モバイル検索に着目する理由

マイクロモーメントを捉えるには、検索語句から「ユーザーの意図」を、モバイル端末からは現在地をはじめとする「ユーザーの状況」を把握することが大切です。 例えば、「近くのカフェ」というような、「近くの XX」を使った検索類の検索は、前年比 130 % を超える勢いで増えています1。これらの検索は、主にモバイルによるもので、全体の 88 %を占め2、前年比 146% と全体の伸びより高い伸びを見せています3。モバイルからの「(どこかに)行きたい」という検索は、ホテルやレンタカー、ネイルサロン、靴屋、ピザ屋、銀行など、ありとあらゆる業種で行われています。

急いで ATM でお金を引き出したい。今すぐアイスクリームが食べたい。 もちろんこれは、モバイル検索が行われる理由の一例にすぎません。 このような「近くのxx」を使った検索はまだまだこれからも増えるでしょう。実店舗を持つビジネスではこのようなマイクロモーメントを捉えることが非常に重要となります。いくつかの業種に関連するアメリカのモバイル検索のキーワードを見ながら、上位のテーマを確認しましょう。

自動車

自動車関係のモバイル検索というと、購入を検討する人が、近くのディーラーを探す際に行うことが多いと思われるかもしれませんが、実際には自動車を購入するに至るまでのさまざまな段階でモバイル検索が行われています。自動車に関するモバイル検索で、上位に挙がったテーマは次の通りです。4

  • 販売(「トヨタ プリウス 販売」など)
  • 価格(「アウディ R8 価格」など)
  • ディーラー(「スバル フォレスター ディーラー」など)

この 3 つのテーマは、自動車を購入するまでの典型的なプロセスにおいて取り上げられた「自分に最適な自動車か」「価格は予算以内か」「どこで買えるのか」という購買プロセスの各瞬間における「知りたい、買いたい、行きたい」といった欲求を反映しています。

人々はモバイルであらゆる情報を調べます。例えば、自動車に関するモバイル検索では、「テスラ 価格」、「マセラティ 価格」、「アウディ R8 維持費」といった、高級車の価格に関する検索お多くみられます5。特に2014 年から 2015 年には、高級車の価格に関する検索が 90% 近くも増加しました。6

ホテルの駐車場でアウディを目にして価格を知りたくなったのか、それとも高級車をまさに手に入れようとしているところなのか。Google アナリティクスなどのツールを用いると、サイト上におけるユーザーの行動から、こうしたインサイトを詳しく分析できます。分析したデータを活用すれば、何かを「知りたい」といった興味を持っている人には、その興味に応える情報を、また別の何かを「買いたい」といった購入意向を持っている人にはその意向を後押しできるような情報を、人々の欲求に応じて届けるためにはどうすればよいかが見えてくると思います。

ジュエリー

ジュエリーの中で、アメリカでは、モバイルで最も検索されるのは指輪で、次にネックレス、ブレスレット、イヤリングが続きます7。さらに指輪の検索について詳しく調べていくと、より興味深いことがわかります。

指輪に関するモバイル検索で、上位を占めるテーマは次の通りです8

  • プロミスリング(「プロミスリング ガールフレンド」など)
  • 結婚指輪(「結婚指輪 ペア」など)
  • 婚約指輪(「婚約指輪 男性用」など)

結果的に検索数が最も多いテーマは、プロミスリング(米国において婚約には至っていない恋人にプレゼントする指輪)でした。プロミスリングに関連するモバイル検索は、2014 年から 2015 年で 77% も増えています9。以下のグラフからもわかる通り、ここ数年で急増しました。特にホリデーシーズン(「クリスマス プレゼントを買いたい」瞬間)とバレンタイン デーの時期に、その傾向は顕著になります。検索がモバイル中心となるのは、こうしたリングを求める人たちの多くが「モバイル中心の若いユーザー層」であることとも少なからず関係しているはずです。

ホテル

人々がホテルを検索する際に用いた言葉と、ホテルに求めているものは、多岐に渡ります。たとえばニューヨークの高級ホテルを検索するビジネスマンもいれば、オーランド近辺をミニバンで移動しながら当日の宿泊施設を探す 5 人家族(と犬一匹)もいたりと、実にさまざまです。

Hotels.com のデータによると、モバイルからの予約の 74% は当日宿泊分だといいます。

主にホテルに関するモバイル検索では、次のテーマが上位を占めています10

  • 近くの(「近くのペットホテル 親切」など)
  • 安い(「安いホテル マートルビーチ」など)
  • 価格(「モーテル 価格」など)

ホテルに関連するモバイル検索では、「近くのXX」を使った検索数が断トツの 1 位です。このことはモバイルからの予約の 74% が当日宿泊分であるという Hotels.com のデータと合致します。言葉を変えると「近くの」と「今すぐに」は密接な関係にあるということです。

今晩の寝床を探すことほど切迫した問題は、めったにありません。このような切羽詰まった瞬間、つまり「急いでどこかを予約したい」と思う瞬間には、モバイル端末を使う人々の意図が如実に表れます。

モバイル検索の動向から、私たちは何を意識するべきか?

以上 3 つの事例は、既存のオンライン広告やパソコン向けコンテンツでは、モバイルの可能性を最大限に引き出せないことを示唆しています。人々の意図と置かれた状況を考慮し、効果的な対応を考えましょう。

モバイル検索を効果的に活用するには、

  1. ブランドにとって重要な検索テーマを、社内外の関係者とともに協働しながら、幅広くリストアップするのが最初の一歩です。あらゆるマイクロモーメントを一度に把握する必要はありませんが、上位にランクインする検索テーマ、ブランドの今後に必要な検索テーマは確実におさえましょう。このような検索テーマこそが、生活者のマイクロモーメント。ブランドが満たすべきニーズになります。
  2. マイクロモーメントをくまなく捉えます。みなさんのビジネスやブランドに関連する、主にモバイルからの検索テーマを特定したら、それに対応するキーワードを網羅します。そうした検索が行われたモバイルのスクリーン上で、大きな「意図」を獲得できるように努めましょう。ユーザーの体験を大きく左右する検索の瞬間をものにするには、そうした瞬間をくまなく捉えることが鍵となります。
  3. 生活者にとって、より価値ある情報に。ユーザーの立場に立って、モバイル検索が行われる状況に思いを巡らせましょう。ユーザーはどういった状況でスマートフォンを手にするのか。何を調べたいのか。何をしたいのか。何を探し、何を買いたいのか。それらに思いを巡らせます。そのうえで「広告のコンテンツやモバイルサイト(モバイルアプリ)の機能が、ユーザーが求める瞬間のニーズを満たしているか」に注目します。もっと手順を減らせる方法や、もっと便利な方法の探求は常に行うべきです。新たに見つかったら、どんどん改善していきましょう。

出典
1、2、5~7 Google 内部検索データ、アメリカ、すべての端末、2014~2015 年。
3、9 Google 内部検索データ、アメリカ、モバイル端末、2014~2015 年。
4、8、10 Google 内部検索データ、アメリカ、すべての端末、2014~2015 年。対象業種において、モバイル端末の利用時間の 75% 以上を占めた検索を取り出し、その中から検索のテーマが近いものを集め、最も多く使われたテーマを「モバイル中心のテーマ」の上位に挙げました。